加圧トレーニングとは?おさらい
加圧トレーニングとは、腕や足の付け根にバンドを巻き、血流の動脈側を少し制限し、静動脈側を強めに制限する事で、腕や足に多くの血液が滞留して、毛細血管にまで血流が流れるようになります。
血流量を抑えてトレーニングを行う事で、負荷が軽くてもトレーニング中の筋繊維の動員力は高まり、血液中の乳酸濃度が急激に高まります。それにより筋肉内にあるレセプターを刺激し、脳下垂体から成長ホルモンの分泌を促進させます。
加圧トレーニング後にバンドを外すと、増加した成長ホルモンが体脂肪を燃焼させて遊離脂肪酸として血中に放出されます。このことから、ダイエット効果もあると言われています。
通常行うトレーニング時間よりも短い時間で同じ効果を得る事ができると言われています。扱う重量なども軽い重量で十分効いてしまうので、関節などに負担もかける事なく、リハビリなどでも取り入れられています。トレーニング時間も約30分で2時間トレーニングをやったのと同じ効果が得られるそうです。
成長ホルモンの真実
80年代後半から2000年代前半までは、分泌される成長ホルモンを頼りに様々なトレーニングに関する研究が進みました。加圧トレーニングもその一種です。
しかし、研究が進んだ現在は、筋肥大に成長ホルモンはそこまで関係がない事がわかっています。関係がないというよりは筋肥大に直接的に重要ではないという事です。なぜこのように成長ホルモンが筋肥大と結びついてしまったのか?
筋肥大の研究中、筋肉が太くなるような刺激が加わった時、同時に脳下垂体から成長ホルモンの分泌が上がった為、そこに因果関係があるという考え方が研究者の中で一般的になってしまったため、成長ホルモンと筋肥大が結びついてしまいました。東大の筋肉研究家、石井先生も「今となっては過去の知識」と言っています。
まとめ
加圧トレーニングを行う事で、成長ホルモンの分泌を促すことはできますが、成長ホルモンと筋肥大が直接的な結びつきがないのであれば、加圧トレーニングを筋肥大目的で行うことには疑問があります。
現在筋肥大で最も重要なのはホルモンとかよりは、「筋肉を動かす」という局所的な仕組みの方が重要という事がわかっています。
もし、ホルモンが筋肥大に直接的に重要であるなら片腕でアームカールを行い、ホルモン分泌を促し、もう片方の腕を発達させる事ができるようになってしまいます。これはあり得ません。
筋肥大に直接的に関係してくる記事は今後詳しく書いていきたいと思います。